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クルマの寿命とは?

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お客様からクルマの寿命について聞かれることがよくあります。
走行距離10万キロ超えたのでそろそろかな、14年経過したので、、などさまざまな意見があります。
私の考えている寿命とは以下のとおり、およそ2つです。

保安基準を守り、安全確保を絶対条件としての2点
  • 部品が交換できる状態かどうか
  • 予算に見合っただけの思い入れや愛着があるか

 

部品が交換できる状態かどうか

部品は生産中止からおよそ10年。(TOYOTAのHPより)
純正部品以外にも優良品や社外品、中古品を使うという手段もあります。
なければ作る、という方法もありますが、安全面など保安基準に抵触する可能性もあり、慎重に判断が必要。
入手が修理の基本的な前提となります。

さらに、部品が交換できない状態として、ボディー自体が錆などにより腐食が激しく外れないというもの。
地元の紀南地区は非常に海が近く、塩害があり、また漁業関係者の車などは激しく腐食します。

お客様でも出来る限り取付ボルトをいろいろな手段で外してきました。ですが、あまりにも酷い状況
安全確保困難な場合は寿命と考えております。

 

では、前述のように部品が交換できる状態であればどれくらい乗れるのか?ということになると思います。
弊社ではタクシーのメンテナンスも引き受けておりますが、ほぼ100万キロ近くの車でも全く問題なく修理しております。

距離は関係なくメンテナンスしてきましたので、問題となるのはエンジン内部の修理、オーバーホールと呼ばれる
メンテナンスまでするかどうか。次の項目の問題が出ます。

 

予算に見合っただけの思い入れや愛着があるか

いくらでも直せる部品があっても、やはり予算がかかります。
エアコンの故障などを修理してから、少し経過して別の箇所が故障。
最初に修理費用かけてしまったから、次も直さざる得ないなどというケースは非常に残念なことですが
起きてしまいます。

ですので、出来るだけ私は最初の段階で、距離、年式や乗り方、車種により故障が多い箇所などを考え、
故障する可能性はお伝えし、乗り換えするか、出来るだけコストダウンする方法など提案します。

思い入れが非常に強く、どうしても直すというユーザーの車はいろいろな方向から手段を検討します。
先日、1969年製造のVWビートルがエンジンがかからないと、入庫してきました。
最初買ったころから乗り続けるということから、非常に強い愛着を感じ、何としてでも直してやるぞ!と、
整備士として非常に意気込みますし、あずけてくださったことに感謝し、現在修理中です。

以上2つのポイントを考え、よくお客様のお話を聞いて、不利益とならぬように心がけております。

 

さて、さきほどのビートルですが、つづきがあります。

ボッシュ社の日本語版教本をもっておりましたので、不具合の特定はある程度すぐつかめました。
今日、ポルシェボクスター 20年ほど前のクルマなのですが、オイル交換で入庫しまして、
そのお客様が若い頃、元ポルシェの整備士でもあったので、一緒にビートルを相談しておりましたら、
もっている教本の日本語翻訳に携わっていたと聞いて、驚きと、タイミングの良さが強いご縁を感じました。
先人のアドバイスは心強く、最近では少ない超アナログな修理ですが、クルマの整備の楽しさを実感できる良い経験となりました。