本文までスキップする
Follow us

ブログ

エンジンオイルについての話

Publish :

17年ほど前だったと思いますが、BPという英国に本社をもつオイルメーカーの日本法人に講習をお願いして、
勉強会に参加させていただいたときの話です。

講師のオイルに関する話で、考え方が大きく変わった点が2点
  • 日本車と欧州車の車づくりに対する考え方の違い
  • エンジンオイルは職人達が作り上げた

 

日本車と欧州車の車づくりに対する考え方の違い

まず、最初の日本車と欧州車の違いですが、日本車はエンジンオイルを当然交換します。

ですが、欧州車はもともとオイル交換という設計ではなく、エンジン内で燃焼させ、マフラーから排出させる。
なので、オイルを継ぎ足すということです。

廃油を出すこと自体が環境に悪いという欧州の考え方。

日本車は燃焼させて排気ガスを究極に綺麗にするため、頻繁にオイル交換し、
出た廃油をさまざまなものにリサイクルする、というもの。

ですので、安価にするためオイルの純度が下がるようです。

オイル交換しないと通常エンジン内に酸化物(飲食店の換気扇に付いた黒いよごれ)が発生し、トラブルとなります。

ですから、欧州車に使用されるエンジンオイルは不純物のない非常に高性能オイルが規格で決まっております。

原油から精製するときの上澄みか、底の部分かということが純度の違いだそうです。

エンジンオイルは職人達が作り上げた

そして、二番目の職人達が作り上げたという話ですが、
講師のご実家が洋食店を営んでおり、幼少時代から父親が一生懸命デミグラスソースを作っていた姿が
印象的で目に焼き付いていて

数年ぶりに、年老いた父親の店に家族を連れて訪れたとき
長年試行錯誤したデミグラスソースを使った料理を食べて、涙がでたそうです。

まさに、エンジンオイルも職人達がいろいろな成分を混ぜて、最高のパフォーマンスの出るように
試行錯誤して完成したもので、皆誇りをもって作り上げている姿が非常に共通するのです。

それを考えると外食で味見をせずにいきなりスパイスやソースなどをかけてしまうのと同じで
エンジンオイルに添加剤を混ぜるというのは、作り手からすると非常に残念である、と。

 

二つの話は共通して、作り手の想いやこだわりが形として完成したものであり、
理解したうえで使わせていただくと考えるようになりました。

 

いまでも思い出しながら、現在の最新の技術と組み合わせ、メンテナンスを提案、整備や車の販売時のアドバイスなどに生かしております。